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ルヴァンカップ決勝は歴史に残る名勝負!フロンターレvsコンサドーレ

ルヴァンカップ決勝は歴史に残る名勝負。

[PhotoJIJI]       

ルヴァンカップ決勝/川崎3(PK5-4)3札幌/埼玉スタジアム2002

クラブ史上初めてとなるタイトル獲得をかけて臨んだ川崎フロンターレ勝利したこの試合ですが、先制点を許し2-1とリードして迎えた後半のアディショナルタイム5分
 
守り切れば初優勝が決まった最後のプレーで、コンサドーレにまさかの同点ゴールを決められて延長戦へ
 
迎えた延長戦前半4分
 
コンサドーレのチャナティップ選手ドリブル突破を、ペナルティーエリアの中へ侵入される直前センターバック谷口彰悟選手ファウル覚悟で止めた。
谷口彰悟選手には荒木友輔主審からイエローカードが提示されたが、ルヴァンカップ決勝トーナメントから先行導入されているVAR(ビデオ・アシスタント・レフェリー)判定の結果決定的な得点機会を阻止したとしてレッドカードに変更されています。
 
その後、一人少ない川崎フロンターレセットプレーから同点に追いつきPK戦を制しています。

お互いに守備の対策を放置することで攻撃の良さを活かす

コンサドーレ札幌としてはサイドバックに対してウイングバックがマークがついた瞬間にトップ下の脇坂がハーフスペースに流れると サイドで数的優位ができてしまいます。

そのために、両シャドーのチャナティップ選手鈴木武蔵選手がサイドバッグについていくことが守備の問題を改善するために必要でした。

しかしながらコンサドーレ札幌は、チャナティップ選手鈴木武蔵選手を後方のスペースのカバーに奔走させることを求めずに、前線でカウンター狙いに残すやり方をしてきました。

これまでの戦績から考えても圧倒的に格下である札幌がこのような攻撃的な姿勢を見せたことで試合は両者殴り合いの様相を呈していきます。

ボールを奪った札幌は、ワントップのジェイ選手起点鈴木武蔵選手チャナティップ選手カウンター1次攻撃にして、 遅効では両ボランチ最終ラインに降りて、チャナティップ選手がボランチの位置の降りるポジションチェンジに川崎フロンターレは対応できず、先制点はセンターバックの福森晃斗選手が、中盤の中央にポジションチェンジして受けたボールをサイドチェンジしたところから始まっています。

4バック川崎フロンターレは、5トップポジションチェンジしてくるコンサドーレ札幌攻撃に対しての対策はノープランサイドハーフが最終ラインまでカバーにまわるような対応していません

このように両者攻撃的守備の対策よりも攻撃に力点を置いた試合は川崎フロンターレ23本北海道コンサドーレ札幌15本と合わせて38本の打ち合いとなっています。

Jリーグの放映権を買収したDAZNJリーグ特徴攻撃的でエンターテインメント性が高いとデータから算出したといいますが、この試合はそのデータ通りの展開でJリーグらしさ良く出た試合といえるでしょう。

一方でどちらのチーム守り切ることが出来ない守備の脆さ隣り合わせだったともいえます。

勝負を分けたのは経験値の差

北海道コンサドーレ札幌にとってはクラブとして初のタイトル挑戦川崎フロンターレ相手には全21戦0勝5分16敗で得点11失点45とデータ上は大きく差があり、結果としては実力通りのものだったといえます。

一人多い状況で1点リードであれば、普通は逃げ切って当たり前で、そこまで持っていったことは、チームとしては評価できますが、そこからの試合運び川崎フロンターレが上だったことは明白です。

まず谷口選手レッドカードを提示されてから審判に抗議をしつつも登里選手監督のところに行くように合図をしていたため、一人少ない状況でどう戦うのかをベンチとコミュニケーションを取るために狡猾に時間を稼いでいました。

10人となっても慌てずに戦うことが出来た背景には、リーグ2連覇中であり、チームとして5度目ルヴァンカップ決勝だったというコンサドーレ札幌と比較すると圧倒的な経験値の差があったと思います。

コンサドーレにとってはこれ以上ない負け方

川崎フロンターレがそうだったように決勝で負けた悔しさが強さにつながると考えるのであればコンサドーレ札幌にとってはこれ以上ない悔しい敗戦だったといえます。

コンサドーレ札幌は2017年にJ1に昇格し、昨年は過去最高の4位でリーグ戦を終えている右肩上がりで結果を出しており、平均年齢25歳若いチーム

キャプテンの宮澤裕樹選手を怪我で欠きながらもカップ戦の決勝でPK戦まで戦った経験は、今後のチーム作りにとってかけがえのない財産となるでしょう。

ルヴァンカップは、国際Aマッチデーを中心に開催されるために代表選手がいる強豪クラブよりも若手選手が多いチームが有利で結果に対して過剰な自信を持つ危険性もあります。

2008年の大分トリニータは優勝後に債務超過に陥り、一時J3に降格するまで低迷しました。

昨年に優勝した湘南ベルマーレもチョウキジェ監督のパワハラ問題が勃発してチームは大混乱の最中。

このようにルヴァンカップの優勝は、とくに中規模クラスのチームが優勝する可能性があり、実力以上の自信を持ってしまうことでチームの立ち位置を把握できなくなる危険性を持っていて、優勝したチーム翌年に降格することも多い中毒性があります。

コンサドーレ札幌もJ1で12番目の予算の中規模クラブであるのが実情なので、ここで勝つことで勘違いするよりも優勝するために足りないものを見つめ直す良いきっかけとなったのではないでしょうか。

ペトロビッチ監督は「リードして限りなく勝利に近づいたが、生かせなかった。きわどいところで敗れたのは、経験不足。常に優勝争いをしているチームとの差が出た。若いチームなだけに、この悔しい経験未来に生かして、さらに強いチームになってほしい」とコメント。

野々村社長は「現状のクラブの経営規模を考えると、準優勝でも「まだまだ小さいクラブなのによく頑張った」とある意味満足できます。

ただ、それで終わっては今回のようなチャンスが再び巡ってくる確率や、そこで勝つ可能性を高められません。

さらに大きなクラブに成長させることと、現時点の持てる予算でビッグクラブにどう勝つかを考えること。

その両方を今後も繰り返していくしかありません。」とコメントしています。

世代交代に成功しつつある川崎フロンターレ

39歳となる中村憲剛選手、32歳の小林悠選手、33歳の家長昭博選手というリーグ2連覇に貢献してMVPを獲得した3人のベテラン攻撃の中心である川崎フロンターレ

この試合は先発に大卒2年目の脇坂泰斗選手を起用して中村憲剛選手小林悠選手はベンチに温存しています。

決定機を何度か外してしまった先発の元ブラジル代表のレアンドロ・ダミアン選手はこれまでの川崎フロンターレにはなかった高さ、パワーを持ったセンターフォワードで長期契約を結んでいることからも焦らずにチームに馴染ませていく方針でしょう。

また、21歳の田中碧選手も先発。

チームの中心であるベテラン選手が徐々に存在感を薄めているのは、世代交代に成功している証拠でもあります。

Jリーグ3連覇で黄金期を作ってきたものの今シーズンは優勝争いに食い込むことは出来ておらず、アジアチャンピョンズリーグもグループステージ敗退と煮え切らないシーズンとなっているチームは、過渡期に差し掛かっているといえるでしょう。

それでもルヴァンカップ優勝でタイトルを獲得してくるあたりは常勝軍団へと近づいている印象を受けました。

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